
保護者の方へ
「Let's make PLAY-WORK our CULTURE! こどものまちをつくろう2025」は「ミニ・ミュンヘン」という7歳から15歳のこどもが世界中から集まってくるミニシティをモデルに、2015年に豊島区南長崎ではじまりました。
はじめたきっかけは過干渉や自分の都合しか考えない大人に嫌気がさし、「大人のいない遊び場が欲しい」というこどもの切実な声です。
そのため、会場内に大人が入ることができません。安全を見守るスタッフは「精霊」として、こどものやることに手出し口出しをしません。
このページでは大人が関与しないことで、どんなことが起きているのかを解説しています。
ご一読いただき、参加するかどうかを決める参考になれば幸いです。
大人が介入しない3つのメリット
1.こどもの公共空間をつくる

「親がなくても子は育つ」という言葉があった頃は大人がいないこどもだけの遊び空間がたくさんあり、こども達は近所の異年齢の子と一緒に遊び、そこで勝手に社会性を育ててきました。楽しいことばかりではなく、大きい子にうまく使われたり、騙されたり、喧嘩をしたりトラブルもたくさん経験しながら、処世術を学んできました。
現代は子どもが勝手に育つ、子どものための公共空間がありません。
それは家庭の負担も大きくし、狭い価値観を押し付け、いろんな大人を見る機会を奪っています。私たちは、いろんな人と関わりながら自分たちで軋轢を乗り越えるチカラが子どもにあると信じ、成長して欲しいと願い、この事業を行っています。
2.仕事をすること、しないこと、どちらでも選択できる

「お金を払ったんだからいろんな仕事をしてきなさい」と送り出す保護者、「行ってみたら仕事がなくて楽しくなかったから帰ってきた」というご意見をいただくことがよくあります。
まず知っておいていただきたい大前提として、この事業は「こどもだけのまちを作る」ことを目標にしており、「職業体験イベント」ではありません。
まちには仕事をする人もいれば、お客さんも必要です。参加にあたっての注意事項にも、全員分の仕事を用意していないことを明示しているのはそのためです。お客さんがいないと、こどものまちの経済は破綻し、働いても給料がもらえなくなります。過去に実際に何度もおきました。
貯金を大事にする日本人ですが、お金を使うことの大切さも実体験として学ぶ場です。
3.自分のチカラで困難に立ち向かう訓練をする場所

お金を払えばなんでもできると思われている方にはハードルの高いかもしれません。なぜなら「お金を払う=サービスを受ける人」として参加しても、ここではサービスをしてもらえないからです。
参加費は会場費、広告費、こども達が使う材料費、運搬費、見守りスタッフへの謝礼など必要経費を賄うために使われます。
私たちはサービス慣れした子ども達が増えていることに危機感を感じています。お金を払えばいい気持ちにさせてくれる施設は世の中にたくさんあります。それよりも「こどもの成長にはうまくいかないことをなんとかするチカラが必要だ」と思っている方と一緒に作り上げていきたいと思っています。
ボランティアスタッフの体験談
大人は口出し禁止!でも、どこからが口出しでどこまでがアドバイスだろう…といつも悩みます。
ある子が持っている土地を議会が買い取る交渉では、「その土地いくらで買ったの?」「この金額だよ」「じゃあ、その金額で買い取ります」「いいよ!」のやりとり。
「いいの…?いいの…?高く売ることもできるんやで…」と思わず話してしまったり。これは口出しかなアドバイスかな、そんな悩みも楽しいです◎
「やる仕事がない、つまらないもう帰りたい、でもお母さんとは5時に待ち合わせしちゃってる....どうしたら良い?」という質問にも精霊としては助ける事も出来ずただその子がどうするか見守っていました。すると目には涙。「泣き続けて時間を過ごすより何か面白い事を探してきてみたら?」と提案してみても首を振るだけ。時間は少しずつ過ぎていく。でもその状況をお迎えの時間まで耐えきった子に「良く耐え切って乗り越えたね。」と伝えると満面の笑みとドヤ顔感!きっとあの子の少し自信に繋がった感じ。何かをやる事が全てではない、その子その子の成長がこどものまちにはあると感じたエピソードでした。
2024年参加者アンケートより、喜びの声
(全てを掲載できないので一部のみ抜粋しております)